(社)日本鋳造工学会 北海道支部
インフォメーション 2009
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第5回鋳造技術高度化研修会
 道央中核地域自動車産業等人材養成等事業による本年度の第5回鋳造技術高度化研修会が、平成21年12月2日午後13時30分から道民活動センター(かでる2・7 札幌市)540会議室で開催されました。
 研修会は、講師に小林 武 (関西大学 化学生命工学部 教授)を迎え、「これからの鋳物ビジョン」と題して、これからの鋳物づくりを見据えて今後取り組むべき技術課題などを中心に約3時間にわたって行われました。
 講演は、前半の第1部は「これからの鋳物技術」という演題で、鋳造技術全般を俯瞰し、鋳物製造の今後を見据えた様々な技術的課題や技術展開の可能性について講演が行われました。
 まず、鋳物に用いる主原料や添加金属の埋蔵量、今後の発掘可能量という視点から今後も生産持続可能な材料開発について触れた後、鋳物砂の供給見通しに対応した人工砂利用、金型鋳造、焼失模型鋳造法など、工数を削減して製造エネルギーコストを低減するためのHプロセス、消失模型鋳造法、半溶融鋳造、溶湯鍛造、さらに鋳物の機能性を高めるための熱処理、溶射などの技術課題について事例を挙げながら説明がありました。
 併せて、鋳造分野におけるRP技術の利用、複合化技術などの可能性についても述べられました。
 講演の後半、第2部は「硫化物を分散させた環境適応型鉛フリー青銅鋳物」と題して、近年の地球環境問題を背景とした材料開発への取り組みとして、鉛を用いない青銅鋳物材料の開発事例の紹介がありました。
 当初の国内外で鉛代替元素としてBiを用いる方法が検討されていたのに対し、Biの人体への影響等に配慮した新たな材料として、銅と鉛の凝固反応に似た性質をもつ硫黄に注目して材料中に銅や亜鉛の硫化物を晶出させた青銅材料について、その製法および金属組織、機械的性質などの試験結果を交えながら、環境適応型の青銅鋳物の開発の経緯等が詳しく紹介されました。
 講演後の質疑応答では、焼失模型法で模型を燃焼させるときの型膨張、消失発泡模型を削り出す際の寸法精度影響因子、硫化物を含む青銅鋳物のリサイクル性などについて質疑が交わされました。

講演をする小林氏

質疑の様子

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