(社)日本鋳造工学会 北海道支部
インフォメーション 2009
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第2回鋳造技術高度化研修会
 道央中核地域自動車産業等人材養成等事業による本年度の第2回鋳造技術高度化研修会が、平成21年8月5日午後13時30分からJSTイノベーションプラザ北海道(札幌市)セミナー室で開催されました。
 研修会の講演に先立ち、主催者側として鴨田秀一氏(北海道立工業試験場 技術支援センター所長)から、今回テーマとして取り上げるマグネシウム合金の製造については道内の実績は乏しいが、この研修会によって何らかの示唆が得られ、今後の展開に期待したいと挨拶がありました。

講演に先立ち鴨田氏が挨拶
 講演は、「マグネシウム合金材料の製造プロセスと実用化事例」と題して、講師に三輪 謙治(産業技術総合研究所・中部センター主幹研究員)を迎え、マグネシウム合金に関する広い範囲にわたる技術紹介がありました。
 はじめに、マグネシウムの特徴や開発の歴史、主な生産地、材料の用途とその変遷などについて紹介があり、特に中国でマグネシウム原料の生産が多いことやその工業的用途としてアルミニウム合金への添加剤球状黒鉛鋳鉄の黒鉛球状化処理剤等に多く使われ、近年はその軽さを活かしたマグネシウム合金としての用途が増加していることなどが説明されました。
 次に、マグネシウム合金の材料開発に触れつつ、合金の種類と特徴、化学組成、塑性変形性と温度の影響、減衰性などの材料特性についての説明と、マグネシウム合金の鋳造に関する技術紹介がありました。
 休憩をはさみ、産総研で取り組んだ研究事例からセミソリッドプロセス(ランナーレスダイカスト)の紹介があり、固液共存状態を作り出す温度制御法、剪断力を与えて材料に攪拌効果を与えることで流動性を付与する技術等に加えて、射出成形後の材料の金属組織(固相・液相の分布状態)、温度制御(固相率)の流動長への影響などについて実験結果が紹介されました。
 引き続き、マグネシウム合金の製品化事例の紹介として、カメラボディ、携帯電話、モバイルPCなどの家電製品用部品、自動車関連部品、農林産業機械部品などの事例が紹介されました。
 最後に、マグネシウム合金を取り扱う際の安全性に関するビデオの紹介があり、燃焼実験の様子を交えて、切り屑の表面状態の影響、間違った消化方法、正しい消化方法などについて説明がありました。
 質疑応答では、マグネシウム合金材料の特長に関連して冷間塑性加工に関する質問や、セミソリッドダイカストでのマクロ偏析、材料表面の酸化防止のための処理方法、製造装置の開発動向と導入例、大気中での鋳造作業における取り扱いの注意点などについて質疑が交わされました。

講演をする三輪氏

質疑の様子

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